経営アドバイス・コーナー

経営者保証に関するガイドライン

第2次安倍内閣は矢継ぎ早に経済復興施策を発表しました。税制改正大綱や職業能力開発などの施策を通じて強い日本の再構築を目指しています。
また金融円滑化法が平成25年3月を持って期限終了したことから、今後の動向が注目されています。当事務所ではいち早く「 経営革新等支援機関」の認定を受けました。(財務省関東財務局・経済産業省関東経済 産業局認定) 皆様のお役に立てるよう頑張ります。

経営者保証に関するガイドライン1

経営者保証に関するガイドライン平成25年12月
経営者保証に関するガイドライン研究会 (事務局:日本商工会議所・一般社団法人全国銀行協会)

はじめに
1.目的
2.経営者保証の準則
3.ガイドラインの適用対象となり得る保証契約
4.経営者保証に依存しない融資の一層の促進
(1)主たる債務者及び保証人における対応
①法人と経営者との関係の明確な区分・分離
②財務基盤の強化
③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保
(2)対象債権者における対応
5.経営者保証の契約時の対象債権者の対応
(1)主たる債務者や保証人に対する保証契約の必要性等に関する丁寧かつ具体的な説明
(2)適切な保証金額の設定
6.既存の保証契約の適切な見直し
(1)保証契約の見直しの申入れ時の対応
①主たる債務者及び保証人における対応
②対象債権者における対応
(2)事業承継時の対応
①主たる債務者及び後継者における対応
②対象債権者における対応
7.保証債務の整理
(1)ガイドラインに基づく保証債務の整理の対象となり得る保証人
(2)保証債務の整理の手続(3)保証債務の整理を図る場合の対応
①一時停止等の要請への対応
②経営者の経営責任の在り方
③保証債務の履行基準(残存資産の範囲)
④保証債務の弁済計画
⑤保証債務の一部履行後に残存する保証債務の取扱い
8.その他

経営者保証に関するガイドライン
はじめに
中小企業・小規模事業者等(以下「中小企業」という。)の経営者による個人保証(以下「経営者保証」という。) には、経営への規律付けや信用補完として資金調達の円滑化に寄与する面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、保証後において経営が窮境に陥った場合における早期の事業再生を阻害する要因となっているなど、企業の活力を阻害する面もあり、経営者保証の契約時及び履行時等において様々な課題が存在する。
このため、平成25年1月、中小企業庁と金融庁が共同で有識者との意見交換の場として「中小企業における個人保証等の在り方研究会」を設置した。本研究会において、中小企業における経営者保証等の課題全般を、契約時の課題と履行時等における課題の両局面において整理するとともに、中小企業金融の実務の円滑化に資する具体的な政策的出口について継続的な議論が行われ、同年5月、課題の解決策の方向性とともに当該方向性を具体化したガイドラインの策定が適当である旨の「中小企業における個人保証等の在り方研究会報告書」が公表された。
また、日本再興戦略(同年6月14日閣議決定)においても、新事業を創出し、開・廃業率10%台を目指すための施策として、当該ガイドラインが位置付けられている。同年8月、本報告書にて示された方向性を具体化することを目的として、行政当局の関与の下、日本商工会議所と全国銀行協会が共同で、有識者を交えた意見交換の場として「経営者保証に関するガイドライン研究会」を設置した。
この「経営者保証に関するガイドライン」は、本研究会における中小企業団体及び金融機関団体の関係者、学識経験者、専門家等の議論を踏まえ、中小企業の経営者保証に関する契約時及び履行時等における中小企業、経営者及び金融機関による対応についての、中小企業団体及び金融機関団体共通の自主的自律的な準則として、策定・公表するものである。

1.目的
このガイドラインは、中小企業金融における経営者保証について、主たる債務者、保証人 (保証契約の締結によって保証人となる可能性のある者を含む。以下同じ。)及 び対象債権者(中小企業に対する金融債権を有する金融機関等であって、現に経営者に対して保証債権を有するもの、あるいは、将来これを有する可能性のあるものをいう。また、主たる債務の整理局面において保証債務の整理(保証債務の全部又は一部の免除等をいう。以下同じ。)を行う場合においては、成立した弁済計画により権利を変更されることが予定されている保証債権の債権者をいう。以下同じ。)において合理性が認められる保証契約の在り方等を示すとともに、主たる債務の整理局面における保証債務の整理を公正かつ迅速に行うための準則を定めることにより、経営者保証の課題に対する適切な対応を通じてその弊害を解消し、もって主たる債務者、保証人及び対象債権者の継続的かつ良好な信頼関係の構築・強化とともに、中小企業の各ライフステージ(創業、成長・発展、早期の事業再生や事業清算への着手、円滑な事業承継、新たな事業の開始等をいう。以下同じ。)における中小企業の取組意欲の増進を図り、ひいては中小企業金融の実務の円滑化を通じて中小企業の活力が一層引き出され、日本経済の活性化に資することを目的とする。

2.経営者保証の準則
(1)このガイドラインは、経営者保証における合理的な保証契約の在り方等を示すとともに主たる債務の整理局面における保証債務の整理を公正かつ迅速に行うための準則であり、中小企業団体及び金融機関団体の関係者が中立公平な学識経験者、専門家等と共に協議を重ねて策定したものであって、法的拘束力はないものの、主たる債務者、保証人及び対象債権者によって、自発的に尊重され遵守されることが期待されている。

(2)このガイドラインに基づき経営者保証に依存しない融資の一層の促進が図られることが期待されるが、主たる債務者である中小企業の法人個人の一体性に一定の合理性や必要性が認められる場合等において経営者保証を締結する際には、主たる債務者、保証人及び対象債権者は、このガイドラインに基づく保証契約の締結、保証債務の整理等における対応について誠実に協力する。

(3)主たる債務者、保証人及び対象債権者は、保証債務の整理の過程において、共有した情報について相互に守秘義務を負う。

(4)このガイドラインに基づく保証債務の整理は、公正衡平を旨とし、透明性を尊重する。

3.ガイドラインの適用対象となり得る保証契約
このガイドラインは、以下の全ての要件を充足する保証契約に関して適用されるものとする。(1)保証契約の主たる債務者が中小企業であること(2)保証人が個人であり、主たる債務者である中小企業の経営者であること。ただし、以下に定める特別の事情がある場合又はこれに準じる場合 5 については、このガイドラインの適用対象に含める。 ①実質的な経営権を有している者、営業許可名義人又は経営者の配偶者(当該経営者と共に当該事業に従事する配偶者に限る。)が保証人となる場合 ②経営者の健康上の理由のため、事業承継予定者が保証人となる場合(3)主たる債務者及び保証人の双方が弁済について誠実であり、対象債権者の請求に応じ、それぞれの財産状況等(負債の状況を含む。)について適時適切に開示していること(4)主たる債務者及び保証人が反社会的勢力ではなく、そのおそれもないこと

4.経営者保証に依存しない融資の一層の促進
経営者保証に依存しない融資の一層の促進のため、主たる債務者、保証人及び対象債権者は、それぞれ、次の対応に努めるものとする。

(1)主たる債務者及び保証人における対応主たる債務者が経営者保証を提供することなしに資金調達することを希望する場合には、まずは、以下のような経営状況であることが求められる。
①法人と経営者との関係の明確な区分・分離主たる債務者は、法人の業務、経理、資産所有等に関し、法人と経営者の関係を明確に区分・分離し、法人と経営者の間の資金のやりとり(役員報酬・賞与、配当、オーナーへの貸付等をいう。以下同じ。)を、社会通念上適切な範囲を超えないものとする体制を整備するなど、適切な運用を図ることを通じて、法人個人の一体性の解消に努める。 また、こうした整備・運用の状況について、外部専門家(公認会計士、税理士等をいう。以下同じ。)による検証を実施し、その結果を、対象債権者に適切に開示することが望ましい。
②財務基盤の強化経営者保証は主たる債務者の信用力を補完する手段のひとつとして機能している一面があるが、経営者保証を提供しない場合においても事業に必要な資金を円滑に調達するために、主たる債務者は、財務状況及び経営成績の改善を通じた返済能力の向上等により信用力を強化する。
③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保主たる債務者は、資産負債の状況(経営者のものを含む。)、事業計画や業績見通し及びその進捗状況等に関する対象債権者からの情報開示の要請に対して、正確かつ丁寧に信頼性の高い情報を開示・説明することにより、経営の透明性を確保する。なお、開示情報の信頼性の向上の観点から、外部専門家による情報の検証を行い、その検証結果と合わせた開示が望ましい。また、開示・説明した後に、事業計画・業績見通し等に変動が生じた場合には、自発的に報告するなど適時適切な情報開示に努める。

(2)対象債権者における対応対象債権者は、停止条件又は解除条件付保証契約 、ABL(Asset Based Lending 流動資産担保融資) 、金利の一定の上乗せ等の経営者保証の機能を代替する融資手法のメニューの充実を図ることとする。また、法人個人の一体性の解消等が図られている、あるいは、解消等を図ろうとしている主たる債務者が資金調達を要請した場合において、主たる債務者において以下のような要件が将来に亘って充足すると見込まれるときは、主たる債務者の経営状況、資金使途、回収可能性等を総合的に判断する中で、経営者保証を求めない可能性、上記のような代替的な融資手法を活用する可能性について、主たる債務者の意向も踏まえた上で、検討する。
イ)法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている。
ロ)法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない。
ハ)法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る。
ニ)法人から適時適切に財務情報等が提供されている。
ホ)経営者等から十分な物的担保の提供がある。

5.経営者保証の契約時の対象債権者の対応
対象債権者が第4項(2)に即して検討を行った結果、経営者保証を求めることが止むを得ないと判断された場合や、中小企業における法人個人の一体性に一定の合理性や必要性が認められる場合等で、経営者と保証契約を締結する場合、対象債権者は以下の対応に努めるものとする。

(1)主たる債務者や保証人に対する保証契約の必要性等に関する丁寧かつ具体的な説明対象債権者は、保証契約を締結する際に、以下の点について、主たる債務者と保証人に対して、丁寧かつ具体的に説明することとする。
イ)保証契約の必要性
ロ)原則として、保証履行時の履行請求は、一律に保証金額全額に対して行うものではなく、保証履行時の保証人の資産状況等を勘案した上で、履行の範囲が定められること
ハ)経営者保証の必要性が解消された場合には、保証契約の変更・解除等の見直しの可能性があること

(2)適切な保証金額の設定対象債権者は、保証契約を締結する際には、経営者保証に関する負担が中小企業の各ライフステージにおける取組意欲を阻害しないよう、形式的に保証金額を融資額と同額とはせず、保証人の資産及び収入の状況、融資額、主たる債務者の信用状況、物的担保等の設定状況、主たる債務者及び保証人の適時適切な情報開示姿勢等を総合的に勘案して設定する。このような観点から、主たる債務者の意向も踏まえた上で、保証債務の整理に当たっては、このガイドラインの趣旨を尊重し、以下のような対応を含む適切な対応を誠実に実施する旨を保証契約に規定する。
イ)保証債務の履行請求額は、期限の利益を喪失した日等の一定の基準日における保証人の資産の範囲内とし、基準日以降に発生する保証人の収入を含まない。
ロ)保証人が保証履行時の資産の状況を表明保証し、その適正性について、対象債権者からの求めに応じ、保証人の債務整理を支援する専門家(弁護士、公認会計士、税理士等の専門家であって、全ての対象債権者がその適格性を認めるものをいう。以下「支援専門家」という。)の確認を受けた場合において、その状況に相違があったときには、融資慣行等に基づく保証債務の額が復活することを条件として、主たる債務者と対象債権者の双方の合意に基づき、保証の履行請求額を履行請求時の保証人の資産の範囲内とする。また、対象債権者は、同様の観点から、主たる債務者に対する金融債権の保全のために、物的担保等の経営者保証以外の手段が用いられている場合には、経営者保証の範囲を当該手段による保全の確実性が認められない部分に限定するなど、適切な保証金額の設定に努める。

6.既存の保証契約の適切な見直し
(1)保証契約の見直しの申入れ時の対応
①主たる債務者及び保証人における対応主たる債務者及び保証人は、既存の保証契約の解除等の申入れを対象債権者に行うに先立ち、第4項(1)に掲げる経営状況を将来に亘って維持するよう努めることとする。
②対象債権者における対応主たる債務者において経営の改善が図られたこと等により、主たる債務者及び保証人から既存の保証契約の解除等の申入れがあった場合は、対象債権者は第4項(2)に即して、また、保証契約の変更等の申入れがあった場合は、対象債権者は、申入れの内容に応じて、第4項(2)又は第5項に即して、改めて、経営者保証の必要性や適切な保証金額等について、真摯かつ柔軟に検討を行うとともに、その検討結果について主たる債務者及び保証人に対して丁寧かつ具体的に説明することとする。

(2)事業承継時の対応
①主たる債務者及び後継者における対応
イ)主たる債務者及び後継者は、対象債権者からの情報開示の要請に対し適時適切に対応する。特に、経営者の交代により経営方針や事業計画等に変更が生じる場合には、その点についてより誠実かつ丁寧に、対象債権者に対して説明を行う。
ロ)主たる債務者が、後継者による個人保証を提供することなしに、対象債権者から新たに資金調達することを希望する場合には、主たる債務者及び後継者は第4項(1)に掲げる経営状況であることが求められる。

②対象債権者における対応
イ)後継者との保証契約の締結について対象債権者は、前経営者が負担する保証債務について、後継者に当然に引き継がせるのではなく、必要な情報開示を得た上で、第4項(2)に即して、保証契約の必要性等について改めて検討するとともに、その結果、保証契約を締結する場合には第5項に即して、適切な保証金額の設定に努めるとともに、保証契約の必要性等について主たる債務者及び後継者に対して丁寧かつ具体的に説明することとする。
ロ)前経営者との保証契約の解除について対象債権者は、前経営者から保証契約の解除を求められた場合には、前経営者が引き続き実質的な経営権・支配権を有しているか否か、当該保証契約以外の手段による既存債権の保全の状況、法人の資産・収益力による借入返済能力等を勘案しつつ、保証契約の解除について適切に判断することとする。

経営者保証に関するガイドライン2

7.保証債務の整理

(1)ガイドラインに基づく保証債務の整理の対象となり得る保証人以下の全ての要件を充足する場合において、保証人は、当該保証人が負担する保証債務について、このガイドラインに基づく保証債務の整理を対象債権者に対して申し出ることができる。また、当該保証人の申し出を受けた対象債権者は、第2項の準則に即して、誠実に対応することとする。
イ)対象債権者と保証人との間の保証契約が第3項の全ての要件を充足すること
ロ)主たる債務者が破産手続、民事再生手続、会社更生手続若しくは特別清算手続(以下「法的債務整理手続」という。)の開始申立て又は利害関係のない中立かつ公正な第三者が関与する私的整理手続及びこれに準ずる手続(中小企業再生支援協議会による再生支援スキーム、事業再生ADR、私的整理ガイドライン、特定調停等をいう。以下「準則型私的整理手続」という。)の申立てをこのガイドラインの利用と同時に現に行い、又は、これらの手続が係属し、若しくは既に終結していること
ハ)主たる債務者の資産及び債務並びに保証人の資産及び保証債務の状況を総合的に考慮して、主たる債務及び保証債務の破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること
ニ)保証人に破産法第252条第1項(第10号を除く。)に規定される免責不許可事由が生じておらず、そのおそれもないこと

(2)保証債務の整理の手続
このガイドラインに基づく保証債務の整理を実施する場合において、主たる債務と保証債務の一体整理を図るときは、以下のイ)の手続によるものとし、主たる債務について法的債務整理手続が申し立てられ、保証債務のみについて、その整理を行う必要性がある場合等、主たる債務と保証債務の一体整理が困難なため、保証債務のみを整理するときは、以下のロ)の手続によるものとする。

イ)主たる債務と保証債務の一体整理を図る場合法的債務整理手続に伴う事業毀損を防止するなどの観点や、保証債務の整理についての合理性、客観性及び対象債権者間の衡平性を確保する観点から、主たる債務の整理に当たって、準則型私的整理手続を利用する場合、保証債務の整理についても、原則として、準則型私的整理手続を利用することとし、主たる債務との一体整理を図るよう努めることとする。具体的には、準則型私的整理手続に基づき主たる債務者の弁済計画を策定する際に、保証人による弁済もその内容に含めることとする。

ロ)保証債務のみを整理する場合原則として、保証債務の整理に当たっては、当該整理にとって適切な準則型私的整理手続を利用することとする。

(3)保証債務の整理を図る場合の対応主たる債務者、保証人及び対象債権者は、保証債務の整理に当たり以下の定めに従うものとし、対象債権者は合理的な不同意事由がない限り、当該債務整理手続の成立に向けて誠実に対応する。なお、以下に記載のない内容(債務整理の開始要件、手続等)については、各準則型私的整理手続に即して対応する。

①一時停止等の要請への対応以下の全ての要件を充足する場合には、対象債権者は、保証債務に関する一時停止や返済猶予(以下「一時停止等」という。)の要請に対して、誠実かつ柔軟に対応するように努める。
イ)原則として、一時停止等の要請が、主たる債務者、保証人、支援専門家が連名した書面によるものであること(ただし、全ての対象債権者の同意がある場合及び保証債務のみを整理する場合で当該保証人と支援専門家が連名した書面がある場合はこの限りでない。)
ロ)一時停止等の要請が、全ての対象債権者に対して同時に行われていること
ハ)主たる債務者及び保証人が、手続申立て前から債務の弁済等について誠実に対応し、対象債権者との間で良好な取引関係が構築されてきたと対象債権者により判断され得ること

②経営者の経営責任の在り方本項(2)イの場合においては、対象債権者は、中小企業の経営者の経営責任について、法的債務整理手続の考え方との整合性に留意しつつ、結果的に私的整理に至った事実のみをもって、一律かつ形式的に経営者の交代を求めないこととする。具体的には、以下のような点を総合的に勘案し、準則型私的整理手続申立て時の経営者が引き続き経営に携わることに一定の経済合理性が認められる場合には、これを許容することとする。
イ)主たる債務者の窮境原因及び窮境原因に対する経営者の帰責性
ロ)経営者及び後継予定者の経営資質、信頼性
ハ)経営者の交代が主たる債務者の事業の再生計画等に与える影響
ニ)準則型私的整理手続における対象債権者による金融支援の内容
なお、準則型私的整理手続申立て時の経営者が引き続き経営に携わる場合の経営責任については、上記帰責性等を踏まえた総合的な判断の中で、保証債務の全部又は一部の履行、役員報酬の減額、株主権の全部又は一部の放棄、代表者からの退任等により明確化を図ることとする。

③保証債務の履行基準(残存資産の範囲)対象債権者は、保証債務の履行に当たり、保証人の手元に残すことのできる残存資産の範囲について、必要に応じ支援専門家とも連携しつつ、以下のような点を総合的に勘案して決定する。この際、保証人は、全ての対象債権者に対して、保証人の資力に関する情報を誠実に開示し、開示した情報の内容の正確性について表明保証を行うとともに、支援専門家は、対象債権者からの求めに応じて、当該表明保証の適正性についての確認を行い、対象債権者に報告することを前提とする。なお、対象債権者は、保証債務の履行請求額の経済合理性について、主たる債務と保証債務を一体として判断する。
イ)保証人の保証履行能力や保証債務の従前の履行状況
ロ)主たる債務が不履行に至った経緯等に対する経営者たる保証人の帰責性
ハ)経営者たる保証人の経営資質、信頼性
ニ)経営者たる保証人が主たる債務者の事業再生、事業清算に着手した時期等が事業の再生計画等に与える影響
ホ)破産手続における自由財産(破産法第34条第3項及び第4項その他の法令により破産財団に属しないとされる財産をいう。以下同じ。)の考え方や、民事執行法に定める標準的な世帯の必要生計費の考え方との整合性
上記ニ)に関連して、経営者たる保証人による早期の事業再生等の着手の決断について、主たる債務者の事業再生の実効性の向上等に資するものとして、対象債権者としても一定の経済合理性が認められる場合には、対象債権者は、破産手続における自由財産の考え方を踏まえつつ、経営者の安定した事業継続、事業清算後の新たな事業の開始等(以下「事業継続等」という。)のため、一定期間(当該期間の判断においては、雇用保険の給付期間の考え方等を参考とする。)の生計費(当該費用の判断においては、1月当たりの標準的な世帯の必要生計費として民事執行法施行令で定める額を参考とする。)に相当する額や華美でない自宅等(ただし、主たる債務者の債務整理が再生型手続の場合には、破産手続等の清算型手続に至らなかったことによる対象債権者の回収見込額の増加額、又は主たる債務者の債務整理が清算型手続の場合には、当該手続に早期に着手したことによる、保有資産等の劣化防止に伴う回収見込額の増加額、について合理的に見積もりが可能な場合は当該回収見込額の増加額を上限とする。)を、当該経営者たる保証人(早期の事業再生等の着手の決断に寄与した経営者以外の保証人がある場合にはそれを含む。)の残存資産に含めることを検討することとする。ただし、本項(2)ロ)の場合であって、主たる債務の整理手続の終結後に保証債務の整理を開始したときにおける残存資産の範囲の決定については、この限りでない。
また、主たる債務者の債務整理が再生型手続の場合で、本社、工場等、主たる債務者が実質的に事業を継続する上で最低限必要な資産が保証人の所有資産である場合は、原則として保証人が主たる債務者である法人に対して当該資産を譲渡し、当該法人の資産とすることにより、保証債務の返済原資から除外することとする。また、保証人が当該会社から譲渡の対価を得る場合には、原則として当該対価を保証債務の返済原資とした上で、上記ニ)の考え方に即して残存資産の範囲を決定するものとする。
なお、上記のような残存資産の範囲を決定するに際しては、以下のような点に留意することとする。
a)保証人における対応保証人は、安定した事業継続等のために必要な一定期間の生計費に相当する額や華美でない自宅等について残存資産に含めることを希望する場合には、その必要性について、対象債権者に対して説明することとする。
b)対象債権者における対応対象債権者は、保証人から、a)の説明を受けた場合には、上記の考え方に即して、当該資産を残存資産に含めることについて、真摯かつ柔軟に検討することとする。

④保証債務の弁済計画イ)保証債務の弁済計画案は、以下の事項を含む内容を記載することを原則とする。
a) 保証債務のみを整理する場合には、主たる債務と保証債務の一体整理が困難な理由及び保証債務の整理を法的債務整理手続によらず、このガイドラインで整理する理由
b) 財産の状況(財産の評定は、保証人の自己申告による財産を対象として、本項(3)③に即して算定される残存資産を除いた財産を処分するものとして行う。なお、財産の評定の基準時は、保証人がこのガイドラインに基づく保証債務の整理を対象債権者に申し出た時点(保証人等による一時停止等の要請が行われた場合にあっては、一時停止等の効力が発生した時点をいう。)とする。)
c) 保証債務の弁済計画(原則5年以内)
d) 資産の換価・処分の方針
e) 対象債権者に対して要請する保証債務の減免、期限の猶予その他の権利変更の内容
ロ)保証人が、対象債権者に対して保証債務の減免を要請する場合の弁済計画には、当該保証人が上記の財産の評定の基準時において保有する全ての資産(本項(3)③に即して算定される残存資産を除く。)を処分・換価して(処分・換価の代わりに、処分・換価対象資産の「公正な価額」に相当する額を弁済する場合を含む。)得られた金銭をもって、担保権者その他の優先権を有する債権者に対する優先弁済の後に、全ての対象債権者(ただし、債権額20万円以上(この金額は、その変更後に対象債権者となる全ての対象債権者の同意により変更することができる。)の債権者に限る。なお、弁済計画の履行に重大な影響を及ぼす恐れのある債権者については、対象債権者に含めることができるものとする。)に対して、それぞれの債権の額の割合に応じて弁済を行い、その余の保証債務について免除を受ける内容を記載するものとする 。また、本項(2)ロ)の場合においては、準則型私的整理手続を原則として利用することとするが、保証人が、上記の要件を満たす弁済計画を策定し、合理的理由に基づき、準則型私的整理手続を利用することなく、支援専門家等の第三者の斡旋による当事者間の協議等に基づき、全ての対象債権者との間で合意に至った場合には、かかる弁済計画に基づき、本項(3)⑤の手続に即して、対象金融機関が残存する保証債務の減免・免除を行うことを妨げない。

⑤保証債務の一部履行後に残存する保証債務の取扱い以下の全ての要件を充足する場合には、対象債権者は、保証人からの保証債務の一部履行後に残存する保証債務の免除要請について誠実に対応する。
イ)保証人は、全ての対象債権者に対して、保証人の資力に関する情報を誠実に開示し、開示した情報の内容の正確性について表明保証を行うこととし、支援専門家は、対象債権者からの求めに応じて、当該表明保証の適正性についての確認を行い、対象債権者に報告すること
ロ)保証人が、自らの資力を証明するために必要な資料を提出すること
ハ)本項(2)の手続に基づき決定された主たる債務及び保証債務の弁済計画が、対象債権者にとっても経済合理性が認められるものであること
ニ)保証人が開示し、その内容の正確性について表明保証を行った資力の状況が事実と異なることが判明した場合(保証人の資産の隠匿を目的とした贈与等が判明した場合を含む。)には、免除した保証債務及び免除期間分の延滞利息も付した上で、追加弁済を行うことについて、保証人と対象債権者が合意し、書面での契約を締結すること

8.その他
(1)このガイドラインは、平成26年2月1日から適用することとする
(2)このガイドラインに基づく保証契約の締結、保証債務の履行等を円滑に実施するため、主たる債務者、保証人、対象債権者及び行政機関等は、広く周知等が行われるよう所要の態勢整備に早急に取り組むとともに、ガイドラインの適用に先立ち、 「公正な価額」に相当する額を弁済する場合等であって、当該弁済を原則5年以内の分割弁済とする計画もあり得る。 各々の準備が整い次第、このガイドラインに即した対応を開始することとする。(3)このガイドラインは遡及的に適用されないため、保証人が本項(1)の適用日以前に保証債務の履行として弁済したものについては、保証人に返還できない。
(4)主たる債務者及び保証人が、このガイドラインに即して策定した弁済計画を履行できない場合は、主たる債務者、保証人及び対象債権者は、弁済計画の変更等について誠実に協議を行い、適切な措置を講じるものとする。
(5)このガイドラインによる債務整理を行った保証人について、対象債権者は、当該保証人が債務整理を行った事実その他の債務整理に関連する情報(代位弁済に関する情報を含む。)を、信用情報登録機関に報告、登録しないこととする。以上

経営者保証に関するガイドラインQ&A 1

「経営者保証に関するガイドライン」Q&A 平成25年12月5日制定

【A.総論】
Q.1 経営者保証に関するガイドライン(以下「ガイドライン」という。)において、この Q&A はどのような位置付けになるのでしょうか。
A.ガイドラインに即して具体的な実務を行う上で留意すべきポイントを、「経営者保証に関するガイドライン研究会」において取りまとめたものです。
Q.2 ガイドラインの策定には、どのような背景があるのでしょうか。
A.経営者保証には経営者への規律付けや信用補完として資金調達の円滑化に寄与する面がある一方、①個人保証への依存が、借り手·貸し手双方が本来期待される機能(情報開示、事業目利き等)を発揮していく意欲を阻害している、②個人保証の融資慣行化が、貸し手側の説明不足、過大な保証債務負担の要求とともに、借り手·貸し手間の信頼関係構築の意欲を阻害している、③経営者の原則交代、不明確な履行基準、保証債務の残存等の保証履行時等の課題が、中小企業の創業、成長·発展、早期の事業再生や事業清算への着手、円滑な事業承継、新たな事業の開始等、事業取組の意欲を阻害している、などのおそれがあり、保証契約時·履行時等において様々な課題が存在することに鑑み、平成25年1月に中小企業庁と金融庁が「中小企業における個人保証等の在り方研究会」を設置し、課題の解決策の方向性を具体化したガイドライン策定が適当である旨を取りまとめました。日本再興戦略においても当該ガイドラインの策定が明記されています。ガイドラインの策定に向けて、日本商工会議所と全国銀行協会が「経営者保証に関するガイドライン研究会」を設置し、同年12月に「経営者保証に関するガイドライン」を策定しました。
Q.3 「中小企業·小規模事業者等」は、どのような企業が含まれるのでしょうか。また、「個人事業主」は含まれるのでしょうか。
A.ガイドラインの主たる対象は中小企業·小規模事業者ですが、必ずしも中小企業基本法に定める中小企業者·小規模事業者に該当する法人に限定しておらず、その範囲を超える企業も対象になり得ます。また、個人事業主についても対象に含まれます。
Q.4 「経営者」には、どのような者が含まれるのでしょうか。
A.経営者は、中小企業·小規模事業者等(以下「中小企業」という。)の代表者をいうが、以下のような者も含まれます。 ➢実質的な経営権を有している者 ➢営業許可名義人 ➢経営者と共に事業に従事する当該経営者の配偶者 ➢経営者の健康上の理由のため保証人となる事業承継予定者等
Q.5 保証人が、破産手続·民事再生手続といった法的手続により保証債務を整理する場合とガイドラインにより整理する場合では、どのような点が違うのでしょうか。
A.法的手続による保証債務の整理の場合、破産においては債務整理案に対する債権者の同意は不要であり、民事再生(小規模個人再生)においては債権者の過半数又は債権額の2分の1以上の反対がなければ、全ての債権者に対して債務整理は有効ですが、保証人の情報は公開されます(官報掲載)。ガイドラインによる保証債務の整理の場合、債務整理の成立には全ての対象債権者の同意が必要となりますが、保証人の情報は公開されません。
Q.6 保証人がガイドラインを利用するために、取引先の金融機関に事前に相談する必要はあるのでしょうか。
A.ガイドラインの利用に当たり、保証人は十分な時間的余裕をもって取引先の金融機関に事前に相談することが望ましいと考えられますが、当該相談はガイドラインの利用要件ではありません。

【B.各論】
(1.目的)
Q.1-1 「対象債権者」とは、どのような債権者のことをいうのでしょうか。また、「対象債権者」には、信用保証協会や、求償権者としての経営者も含まれるのでしょうか。
A.中小企業に対する金融債権を有する金融機関等であって、現に経営者に対して保証債権を有するもの、又は将来これを有する可能性のあるものをいいます。信用保証協会(代位弁済前も含む)、既存の債権者から保証債権の譲渡を受けた債権回収会社(サービサー)、公的金融機関等も含まれます。なお、保証債権が債権回収会社 (サービサー)等に売却·譲渡される場合においても、ガイドラインの趣旨に沿った運用が行われることが期待されます。保証履行して求償権を有することとなった保証人は含まれません。
Q.1-2 「金融債権」には、どのような債権が含まれるのでしょうか。
A.銀行取引約定書等が適用される取引やその他の金銭消費貸借契約等の金融取引に基づく債権をいいます。

(3.ガイドラインの適用対象となり得る保証契約)

Q.3-1 3(2)に「特別な事情がある場合又はこれに準ずる場合」とありますが、「これに準ずる場合」とは具体的にはどのような場合が該当するのでしょうか。
A.財務内容その他の経営の状況を総合的に判断して、通常考えられるリスク許容額を超える融資の依頼がある場合であって、当該事業の協力者や支援者からそのような融資に対して積極的に保証の申出があった場合等が該当します。
Q.3-2 3(2)②について、「経営者の健康上の理由のため」としているのは何故でしょうか。
A.金融機関においては、経営者以外の第三者保証を求めないことを原則とする融資慣行の確立が求められており、やむを得ず事業承継予定者に保証の提供を求める場合も、現経営者の健康上の理由という特別の事情を要件としています。よって、それ以外の場合、事業承継予定者の保証は原則取らないという考え方です。 なお、事業の後継者については、ガイドラインにおいて事業承継時に既存の保証契約の適切な見直しを行うこととしています。
Q.3-3 3(4)の「反社会的勢力ではなく、そのおそれもないこと」については、どのように判断するのでしょうか。
A.対象債権者が、主たる債務者、保証人から提出される弁済計画や必要書類の記載内容、対象債権者において保有している情報を基に総合的に判断します。

(4.経営者保証に依存しない融資の一層の促進)

(1)主たる債務者及び保証人における対応

Q.4-1 4(1)①について、経営者保証を提供することなしに資金調達を希望する場合、主たる債務者は、法人の業務、経理、資産所有等に関し、適切な運用を図ることを通じて、法人個人の一体性の解消に努めることが求められていますが、具体的に主たる債務者や経営者はどのように対応すればよいのでしょうか。
A.法人の事業用資産の経営者個人所有の解消や法人から経営者への貸付等による資金の流出の防止等、法人の資産·経理と経営者の資産·家計を適切に分離することが求められます。例えば以下のような対応が想定されます。 ➢資産の分離については、経営者が法人の事業活動に必要な本社·工場·営業車等の資産を所有している場合、経営者の都合によるこれらの資産の第三者への売却や担保提供等により事業継続に支障を来す恐れがあるため、そのような資産については経営者の個人所有とはせず、法人所有とすることが望ましいと考えられます。なお、経営者が所有する法人の事業活動に必要な資産が法人の資金調達のために担保提供されていたり、契約において資産処分が制限されているなど、経営者の都合による売却等が制限されている場合や、自宅が店舗を兼ねている、自家用車が営業車を兼ねているなど、明確な分離が困難な場合においては、法人が経営者に適切な賃料を支払うことで、実質的に法人と個人が分離しているものと考えられます。 ➢経理·家計の分離については、事業上の必要が認められない法人から経営者への貸付は行わない、個人として消費した費用(飲食代等)について法人の経費処理としないなどの対応が考えられます。なお、上記のような対応を確保·継続する手段として、取締役会の適切な牽制機能の発揮や、会計参与の設置、外部を含めた監査体制の確立等による社内管理体制の整備や、法人の経理の透明性向上の手段として、「中小企業の会計に関する基本要領」等に拠った信頼性のある計算書類の作成や対象債権者に対する財務情報の定期的な報告等が考えられます。また、こうした対応状況についての公認会計士や税理士等の外部専門家による検証の実施と、対象債権者に対する検証結果の適切な開示がなされることが望ましいと考えられます。
Q.4-2 4(1)①について、法人と経営者の間の資金のやりとりにおける「社会通念上適切な範囲」とは、どのような範囲をいうのでしょうか。
A.法人と経営者の間の資金のやりとりにおける「社会通念上適切な範囲」は、法人の規模、事業内容、収益力等によって異なってくるため、必要に応じて公認会計士、税理士等の外部専門家による検証結果等を踏まえ、対象債権者が個別に判断します。
Q.4-3 4(1)①の「外部専門家」とは、どのような専門家をいうのでしょうか。また、「顧問税理士」は含まれるのでしょうか。
A.公認会計士、税理士(顧問税理士を含む。)等の資産負債の状況、事業計画·事業見通し、それらの進捗状況等について検証を行うことができる専門家をいいます。
Q.4-4 4(1)①の「外部専門家による検証を実施」について、外部専門家はどのようなことを検証すればよいのでしょうか。
A.外部専門家は、以下のようなことを検証することが期待されます。 ➢業務、経理、資産所有等に関し、法人と経営者の関係が明確に区分·分離されているか。 ➢法人と経営者の間の資金のやりとり(役員報酬·配当、オーナーへの貸付等)を社会通念上適切な範囲を超えないものとする体制(役員報酬の決定プロセスのルール化、社内監査体制の確立等)が整備されているか。また、対象債権者から法人と経営者の明確な分離や適時適切な情報開示等の更なる改善を求められた場合等には、これらの実現に向けた主たる債務者及び保証人に対する適切なアドバイスを行うことが期待されます。
Q.4-5 4(1)②について、「財務状況及び経営成績の改善を通じた返済能力の向上等により信用力を強化する」とありますが、具体的にはどのような財務状況が期待されているのでしょうか。
A.経営者個人の資産を債権保全の手段として確保しなくても、法人のみの資産·収益力で借入返済が可能と判断し得る財務状況が期待されています。例えば、以下のような状況が考えられます。 ➢業績が堅調で十分な利益(キャッシュフロー)を確保しており、内部留保も十分であること ➢業績はやや不安定ではあるものの、業況の下振れリスクを勘案しても、内部留保が潤沢で借入金全額の返済が可能と判断し得ること ➢内部留保は潤沢とは言えないものの、好業績が続いており、今後も借入を順調に返済し得るだけの利益(キャッシュフロー)を確保する可能性が高いこと
Q.4-6 4(1)③の「資産負債の状況(経営者のものを含む。)」における、経営者の資産負債の状況の開示·説明は、経営者が保証人になっていない場合でも必要でしょうか。
A.法人個人の一体性の解消が継続されているかを確認する必要がある場合等において、対象債権者から情報開示の要請があれば、経営者の資産負債の状況を開示·説明することが望ましいと考えられます。
Q.4-7 4(1)③について、「正確かつ丁寧に信頼性の高い情報を開示·説明することにより、経営の透明性を確保する」とありますが、具体的にどのような対応が求められるのでしょうか。
A.対象債権者の求めに応じて、融資判断において必要な情報の開示·説明が求められます。例えば、以下のような対応が求められます。 ➢貸借対照表、損益計算書の提出のみでなく、これら決算書上の各勘定明細(資産·負債明細、売上原価·販管費明細等)の提出 ➢期中の財務状況を確認するため、年に1回の本決算の報告のみでなく、試算表·資金繰り表等の定期的な報告

(2)対象債権者における対応

Q.4-8 4(2)の「停止条件又は解除条件付保証契約」とは、どのような契約をいうのでしょうか。また、停止条件又は解除条件付保証契約に付される特約条項(コベナンツ)とはどのようなものなのでしょうか。
A.停止条件付保証契約とは主たる債務者が特約条項(コベナンツ)に抵触しない限り保証債務の効力が発生しない保証契約をいいます。解除条件付保証契約とは主たる債務者が特約条項(コベナンツ)を充足する場合は保証債務が効力を失う保証契約をいいます。停止条件又は解除条件付保証契約の特約条項(コベナンツ)の主な内容は、以下のとおりです(具体的な内容は個別案件における当事者間の調整により確定)。 ➢役員や株主の変更等の対象債権者への報告義務 ➢試算表等の財務状況に関する書類の対象債権者への提出義務 ➢担保の提供等の行為を行う際に対象債権者の承諾を必要とする制限条項等
Q.4-9 4(2)の「ABL」とは、どのような融資手法なのでしょうか。
A.ABL(Asset Based Lending)とは、企業が保有する在庫や売掛金等を担保とする融資手法をいいます。債務者にとっては、これまで担保としてあまり活用されてこなかった在庫や売掛金等を活用することにより、資金調達枠が拡大し、円滑な資金調達に資することが期待されます。一方で、債権者にとっては、企業の在庫や売掛金等を継続的にモニタリングすることを通じて、企業の経営実態をより深く把握することが可能となり、信用リスク管理の強化が期待されます。
Q.4-10 4(2)に「主たる債務者において以下のような要件が将来に亘って充足すると見込まれる」とありますが、イ)からホ)までのいずれかの要件が将来に亘って充足することが見込まれる場合は、当該企業に経営者保証を求めない可能性等が検討されることになるのでしょうか。
A.中小企業に経営者保証を求めない可能性等の検討に際しては、イ)からホ)までの要件のうち、できるだけ多くの要件が充足されることが望ましいと考えられますが、必ずしも全ての要件の充足が求められるものではなく、個別の事案ごとに、要件の充足状況に応じて判断されることになります。なお、ホ)の要件に関しては、ハ)の要件を補完するものであり、経営者等が十分な物的担保を提供しなければ、経営者保証の提供が求められるという趣旨ではなく、経営者による物的担保の提供を推奨するものではありません。
Q4-11 4(2)に「経営者保証を求めない可能性、代替的な融資手法を活用する可能性について検討する」とありますが、どのような場合は、経営者保証を求めない可能性を検討し、どのような場合は代替的な融資手法の活用を検討するのでしょうか。
A.例えば、イ)からニ)の要件の充足状況を勘案する際に、取締役会の適切な牽制機能の発揮や監査体制の確立等、社内管理体制が整理されている場合や、法人の経営と所有 (株主)が分離されている場合等においては、主たる債務者において内部又は外部からのガバナンスが十分に働いており、将来に亘って要件を充足する蓋然性が高いと考えられるため、経営者保証を求めない可能性が高まるものと考えられます。他方、主たる債務者において上記のような内部又は外部からのガバナンスが十分ではない場合には、将来に亘って要件が充足されることを担保するため、特約条項を付した停止条件又は解除条件付保証契約等の代替的な融資手法の活用が考えられます。なお、経営者が法人の株主となっていることのみをもって、ガバナンスが不十分であると判断するものではありません。
Q4-12 4(2)に「金利の一定の上乗せ」とありますが、具体的にはどのように金利を設定するのでしょうか。
A.経営者保証を求めないことによる信用リスク等の増大は、法人の社内管理体制の整備等経営改善の状況や、法人の規模、事業内容、収益力等によって異なってくるため、そのリスクに見合った適切な金利が個別に設定されることとなります。なお、金利の一定の上乗せを提案した結果、最終的に主たる債務者及び保証人が、経営者保証を提供することを選択した場合でも、対象債権者は第5項に即して保証契約の必要性等について丁寧かつ具体的に説明するとともに、適切な保証金額の設定に努めることが求められます。

(5.経営者保証の契約時の対象債権者の対応)

(1)主たる債務者や保証人に対する保証契約の必要性等に関する丁寧かつ具体的な説明

Q5-1 5(1)イ)及びハ)に「保証契約の必要性」、「経営者保証の必要性が解消された場合には、保証契約の変更·解除等の見直しの可能性があること」とありますが、具体的にどのような説明が求められるのでしょうか。
A.例えば、4(2)イ)~ニ)の要件に掲げられている要素のどの部分が十分ではないために保証契約が必要なのか、どのような改善を図れば保証契約の変更·解除の可能性 9 が高まるのかなどを、具体的に説明することが求められます。
Q5-2 5(1)ハ)に「保証契約の変更·解除等の見直し」とありますが、保証契約の変更には、既存の保証契約を停止条件又は解除条件付保証契約に変更することも含まれるのでしょうか。
A.保証契約の変更には、既存の保証契約を停止条件又は解除条件付保証契約に変更することも含まれます。

(2)適切な保証金額の設定

Q.5-3 5(2)に「形式的に保証金額を融資額と同額とはせず」とありますが、保証金額については、具体的にどのような取扱いになるのでしょうか。
A.保証金額については、以下の取扱いが考えられます。 ➢保証債務の整理に当たっては、ガイドラインの趣旨を尊重し、5(2)イ)及びロ) に規定する対応を含む適切な対応を誠実に実施する旨を保証契約に規定する。 ➢物的担保等の経営者保証以外の債権保全の手段が用いられている場合は、当該手段により保全の確実性が認められる額を融資額から控除した額を保証金額とする。
Q.5-4 保証契約において、5(2)イ)に記載されているように「保証人の履行請求額は、期限の利益を喪失した日等の一定の基準日における保証人の資産の範囲内」とした場合、基準日の到来条件の解釈により、主たる債務者が期限の利益を早期に喪失する事態が生じる懸念はないのでしょうか。
A.契約当事者間で、基準日の到来期限の解釈を契約締結時にできるだけ明確化することにより、主たる債務者が期限の利益を早期に喪失する事態が生じる懸念が減殺されるものと考えられます。
Q.5-5 5(2)ロ)に「保証人が保証履行時の資産の状況を表明保証」するとありますが、その際に、保証人は、残高証明書等の資産の状況を示す資料を添付する必要があるのでしょうか。
A.保証人が保証履行時の資産の状況を表明保証する際には、残高証明書等の資産の状況を示す書類を添付します。
Q.5-6 5(2)ロ)に「(保証人による表明保証の適正性について)保証人の債務整理を支援する専門家の確認」を受けることとありますが、具体的には、適正性の確認を行った旨の書面を支援専門家から入手することになるのでしょうか。
A.保証人の債務整理を支援する専門家の確認を受けた場合は、保証人は当該専門家から確認を行った旨の書面を入手することとなります。
Q.5-7 支援専門家の適格性基準は、どのような内容なのでしょうか。
A.支援専門家の適格性については、当該専門家の経験、実績等を踏まえて、対象債権者が総合的に判断することとなります。ただし、当該専門家が弁護士でない場合には、支援内容が非弁行為とならないように留意する必要があります。
Q.5-8 保証人の代理人弁護士や顧問税理士も支援専門家に含まれるのでしょうか。
A.保証人の代理人弁護士や顧問税理士も支援専門家に含まれます。なお、主たる債務者と保証人の代理人が同一人物である場合には、両者間の利益相反の顕在化等に留意する必要があります。
Q.5-9 5(2)ロ)に「その状況に相違があったときには、融資慣行等に基づく保証債務の額が復活する」とありますが、「融資慣行等に基づく保証債務の額」とは、具体的にはどのような金額なのでしょうか。
A.融資慣行等に基づく保証債務の額とは、根保証契約の場合は保証極度額を、特定債務保証契約の場合は融資金額をそれぞれいいます。
Q.5-10 5(2)に「経営者保証の範囲を(物的担保等の経営者保証以外の)手段による保全の確実性が認められない部分に限定する」とありますが、具体的にはどのように範囲を設定するのでしょうか。
A.物的担保等の経営者保証以外の債権保全の手段が用いられている場合は、当該手段により保全の確実性が認められる額について融資額から控除した額を保証金額とする対応が考えられます。なお、保全の確実性については、将来的な担保価値の変動の可能性も 11 考慮の上、判断することとなります。

経営者保証に関するガイドラインQ&A 2

(6.既存の保証契約の適切な見直し)

Q.6-1 6(1)①について、既存の経営者保証の解除等の申入れを対象債権者に行う場合、主たる債務者及び保証人は、第4項(1)に掲げる経営状況を将来に亘って維持するよう努めることが求められていますが、具体的に主たる債務者や保証人はどのように対応すればよいのでしょうか。
A.法人の事業用資産の経営者個人所有の解消や法人から経営者への貸付等による資金の流出の防止等、法人の資産·経理と経営者の資産·家計を適切に分離することが求められます。例えば以下のような対応が想定されます。 ➢資産の分離については、経営者が法人の事業活動に必要な本社·工場·営業車等の資産を所有している場合、経営者の都合によるこれらの資産の第三者への売却や担保提供等により事業継続に支障をきたす恐れがあるため、そのような資産については経営者の個人所有とはせず、法人所有とすることが望ましいと考えられます。なお、経営者が所有する法人の事業活動に必要な資産が法人の資金調達のために担保提供されていたり、契約において資産処分が制限されているなど、経営者の都合による売却等が制限されている場合や、自宅が店舗を兼ねている、自家用車が営業車を兼ねているなど、明確な分離が困難な場合においては、法人が経営者に適切な賃料を支払うことで、実質的に法人と個人が分離しているものと考えられます。 ➢経理·家計の分離については、事業上の必要が認められない法人から経営者への貸付は行わない、個人として消費した費用(飲食代等)について法人の経費処理としないなどの対応が考えられます。なお、上記のような対応を確保·継続する手段として、取締役会の適切な牽制機能の発揮や、会計参与の設置、外部を含めた監査体制の確立等による社内管理体制の整備や、法人の経理の透明性向上の手段として、「中小企業の会計に関する基本要領」等に拠った信頼性のある計算書類の作成や対象債権者に対する財務情報の定期的な報告等が考えられます。また、こうした対応状況についての公認会計士、税理士等の外部専門家による検証の実施と、対象債権者に対する検証結果の適切な開示がなされることが望ましいと考えられます。
Q6-2 前経営者に係る既存の保証契約を事業承継時に解除するために、前経営者や後継者はどのように対応すればよいのでしょうか。
A.例えば、以下のような取組みが考えられます。 ➢前経営者は、実質的な経営権·支配権を有していないことを対象債権者に示すために、中小企業の代表者から退くとともに、支配株主等に留まることなく、実質的にも経営から退くこと(併せて、当該法人から報酬等を受け取らないこと)。 ➢前経営者が、主たる債務者から社会通念上適切な範囲を超える借入等を行っていることが認められた場合は、これを返済すること。 ➢対象債権者にとって、法人の資産·収益力では既存債権の回収に懸念が残り、前経営者との保証契約以外の手段では既存債権の保全が乏しい場合には、前経営者の資産のうち、具体的に保全価値があるものとして対象債権者が認識していた資産と同等程度の保全が、後継者等から提供されること。

(7.保証債務の整理)
(1)ガイドラインに基づく保証債務の整理の対象となり得る保証人
Q7-1 ガイドラインは、主たる債務の整理手続が、再生型と清算型のいずれであっても利用することができるのでしょうか。
A.いずれの整理手続においても、ガイドラインの利用は可能です。
Q.7-2 7(1)ロ)に「利害関係のない中立かつ公正な第三者が関与する私的整理手続及びこれに準ずる手続(準則型私的整理手続)」とありますが、「利害関係のない中立かつ公正な第三者」とは、どのような者をいうのでしょうか。また、当該手続には、保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は含まれないのでしょうか。
A.「利害関係のない中立かつ公正な第三者」とは、中小企業再生支援協議会、事業再生A DRにおける手続実施者、特定調停における調停委員会等をいいます。したがって、保証人と対象債権者が相対で行う広義の私的整理は、「準則型私的整理手続」には含まれません。ただし、保証人が、合理的理由に基づき、支援専門家等の第三者の斡旋による当事者間の協議等に基づき、全ての対象債権者との間で弁済計画について合意に至った場合には、対象債権者が、ガイドラインの手続に即して、対象債権者が残存する保証債務の減免·免除を行うことは可能です。
Q.7-3 主たる債務者が法的倒産手続の申立てを行ったために、対象債権者から保証債務の履行を求められた後においても、保証人は保証債務の整理の申し出を行うことができるのでしょうか。
A.対象債権者から保証債務の履行を求められた後においても、保証人は保証債務の整理の申し出を行うことが可能です。
Q.7-4 7(1)ハ)に「主たる債務者の債務及び保証人の保証債務を総合的に考慮して、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがある」とありますが、対象債権者は、どのようにして回収の見込みを判断するのでしょうか。
A.主たる債務者が再生型手続の場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるものと考えられます。 ①主たる債務及び保証債務の弁済計画(案)に基づく回収見込額(保証債務の回収見込額にあっては、合理的に見積もりが可能な場合。以下同じ。)の合計金額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計金額なお、主たる債務者が第二会社方式により再生を図る場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるものと考えられます。 ①会社分割(事業譲渡を含む)後の承継会社からの回収見込額及び清算会社からの回収見込額並びに保証人からの回収見込額の合計額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計額主たる債務者が清算型手続の場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるものと考えられます。 ①現時点において清算した場合における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額 ②過去の営業成績等を参考としつつ、清算手続が遅延した場合の将来時点(将来見通しが合理的に推計できる期間として最大3年程度を想定)における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額
Q.7-5 7(2)ロ)の「適切な準則型私的整理手続」とは、どのような手続が想定されるのでしょうか。
A.「適切な準則型私的整理手続」とは、保証債務のみを整理することが可能な準則型私的整理手続をいいます。
Q.7-6 7(2)イ)の主たる債務と保証債務の一体整理を図る場合と、同ロ)の保証債務のみを整理する場合における支援専門家の役割はそれぞれどのようなものでしょうか。
A.主たる債務と保証債務の一体整理を図る場合の支援専門家の役割は、保証債務に関する一時停止や返済猶予の要請、保証人が行う表明保証の適正性についての確認、対象債権者の残存資産の範囲の決定の支援等が考えられます。保証債務のみを整理する場合の支援専門家の役割は、保証債務に関する一時停止や返済猶予の要請、保証人が行う表明保証の適正性についての確認及び対象債権者の残存資産の範囲の決定の支援に加え、弁済計画の策定支援が考えられます。

(3)保証債務の整理の手続
Q.7-7 対象債権者の「合理的な不同意事由」とは、どのような事由をいうのでしょうか。
A.保証人が、ガイドライン第7項(1)の適格要件を充足しない、一時停止等の要請後に無断で財産を処分した、必要な情報開示を行わないなどの事由により、債務整理手続の円滑な実施が困難な場合をいいます。 ①一時停止等の要請への対応
Q.7-8 大部分の対象債権者が保証債務の弁済計画案に同意したものの、一部の対象債権者の同意が得られないときは、どうなるのでしょうか。
A.法的債務整理手続と異なり、ガイドラインに基づく債務整理においては、全ての対象債権者の弁済計画案への同意が必要なため、一部の対象債権者から弁済計画案について同意が得られない場合、債務整理は成立しません。ただし、ほとんど全ての対象債権者が合意したにもかかわらず、ごく一部の対象債権者の同意が得られない場合において、これらの債権者を対象債権者から除外することによっても弁済計画に与える影響が軽微なときは、同意しない債権者を除外することによ 15 り債務整理を成立させることが可能です。
Q.7-9 一時停止等の要請は、支援専門家等が連名した書面により行うこととなっていますが、対象債権者による当該支援専門家の適格性の判断はいつ行われるのでしょうか。
A.対象債権者による支援専門家の適格性の判断は、ガイドラインに基づく債務整理についての相談や一時停止等の要請を保証人から受けたときや、対象債権者が当該要請の応否の判断を行うとき等に行われます。
Q.7-10 一時停止等の要請は、保証人等が連名した書面により行うこととなっていますが、保証人には、信用保証協会を含むのでしょうか。
A.ガイドラインの適用対象となる保証契約における保証人は個人であるため、信用保証協会は含みません。 Q.7-11 一時停止等は、いつから開始されるのでしょうか。
A.一時停止等の要請が、保証人、支援専門家等の連名した書面で行われた場合は、対象債権者が当該要請を応諾したときから開始します。一時停止等の要請が、債権者集会等において行われた場合においては、当該集会に参加した全ての対象債権者が当該要請を応諾したときから開始します。
Q.7-12 一時停止等の要請後に、保証人が、資産の処分や新たな債務の負担を行った場合はどうなるのでしょうか。
A.対象債権者は、当該処分等に同意しない場合、当該処分等を第7 項(3)の「合理的な不同意事由」として、処分等を行った保証人に関する債務整理に異議を申し立てることが可能です。
③保証債務の履行基準
Q.7-13 7(3)③について「なお、対象債権者は、保証債務の履行請求額の経済合理性について、主たる債務と保証債務を一体として判断する」とありますが、具体的にはどのように判断するのでしょうか。
A.主たる債務者が再生型手続の場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるため、①と②との差額を上限として、早期事業再生等に着手した保証人の残存資産を検討することについて、一定の経済合理性が認められます。 ①主たる債務及び保証債務の弁済計画(案)に基づく回収見込額の合計金額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計金額なお、主たる債務者が第二会社方式により再生を図る場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるため、①と②との差額を上限として第二会社方式により再生に着手した保証人の残存資産を検討することについて、一定の合理性が認められます。 ①会社分割(事業譲渡を含む)後の承継会社からの回収見込額及び清算会社からの回収見込額並びに保証人からの回収見込額の合計額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計金額主たる債務者が清算型手続の場合、以下の①の額が②の額を上回る場合には、ガイドラインに基づく債務整理により、破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがあるため、①と②の差額を上限として、早期事業再生等に着手した保証人の残存資産を検討することについて、一定の経済合理性が認められます。 ①現時点において清算した場合における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額 ②過去の営業成績等を参考としつつ、清算手続が遅延した場合の将来時点(将来見通しが合理的に推計できる期間として最大3年程度を想定)における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額
Q7-14 対象債権者は、回収見込額の増加額を上限として、経営者の安定した事業継続、事業清算後の新たな事業の開始等(以下「事業継続等」という。)のため、一定期間の生計費に相当する額や華美でない自宅等を保証人の手元に残すことのできる残存資産に含めることを検討することとなりますが、具体的にはどのような資産が検討の対象となり、どのような判断により残存資産に含めることを確定するのでしょうか。
A.破産手続における自由財産(破産法34条第3項及び第4項その他法令により破産財団に属しないとされる財産)は残存資産に含まれます。経営者たる保証人が、自由財産に加えて、安定した事業継続等のため、一定期間の生計費に相当する現預金や華美でない自宅等を残存資産に含めることを申し出た場合、対象債権者は、準則型私的整理手続における利害関係のない中立かつ公正な第三者(Q7-2 参照)の意見も踏まえつつ、当該申出の応否や保証人の手元に残す残存資産の範囲について検討することとします。なお、残存資産の範囲の検討においては、以下のような目安を勘案することとします。

➢「一定期間」については、以下の雇用保険の給付期間の考え方等を参考にします。

雇用保険の給付期間保証人の年齢給付期間 30歳未満90日~180日 30歳以上35歳未満90日~240日 35歳以上45歳未満90日~270日 45歳以上60歳未満90日~330日 60歳以上65歳未満90日~240日 (引用元)厚生労働省職業安定局ハローワークインターネットサービスホームページ(ガイドライン公表日時点) ➢「生計費」については、1月当たりの「標準的な世帯の必要生計費」として、民事執行法施行令で定める額(33万円)を参考にします。なお、「華美でない自宅」を残すことにより保証人に住居費が発生しない場合は、一般的な住居費相当額を「生計費」から控除する調整も考えられます。 ➢上記のような考え方を目安としつつ、保証人の経営資質、信頼性、窮境に陥った原因における帰責性等を勘案し、個別案件毎に増減を検討することとします。

➢一定期間の生計費に相当する現預金に加え、残存資産の範囲を検討する場合、自宅が店舗を兼ねており資産の分離が困難な場合その他の場合で安定した事業継続等のために必要となる「華美でない自宅」については、回収見込額の増加額を上限として残存資産に含めることも考えられます。 ➢上記に該当しない場合でも、保証人の申出を踏まえつつ、保証人が、当分の間住み続けられるよう、「華美でない自宅」を、処分·換価する代わりに、当該資産の「公正な価額」に相当する額から担保権者やその他優先権を有する債権者に対する優先弁済額を控除した金額の分割弁済を行うことも考えられます。なお、弁済条件については、保証人の収入等を勘案しつつ、保証人の生活の経済的再建に支障を来すことのないよう定めることとします。

<主たる債務者の実質的な事業継続に最低限必要な資産> 

➢主たる債務者の債務整理が再生型手続の場合で、本社、工場等、主たる債務者が実質的に事業を継続する上で最低限必要な資産が保証人の所有資産である場合は、原則として保証人が主たる債務者である法人に対して当該資産を譲渡し、当該法人の資産とすることにより、保証債務の返済原資から除外します。なお、保証人が当該法人から譲渡の対価を得る場合には、原則として当該対価を保証債務の返済原資とした上で、保証人の申出等を踏まえつつ、残存資産の範囲を検討します。

 <その他の資産>

➢一定期間の生計費に相当する現預金に加え、残存資産の範囲を検討する場合において、生命保険等の解約返戻金、敷金、保証金、電話加入権、自家用車その他の資産については、破産手続における自由財産の考え方や、その他の個別事情を考慮して、回収見込額の増加額を上限として残存資産の範囲を判断します。

経営者保証に関するガイドラインQ&A 3

Q.7-15 7(3)③に記載されている「経営者の安定した事業継続、事業清算後の新たな事業の開始等」の「等」には何が含まれるのでしょうか。
A.「等」には事業再生時に経営者を退任する場合や事業清算後に新たな事業を開始しない場合も含まれます。
Q.7-16 7(3)③に記載されている「回収見込額の増加額」とは、具体的にはどのように算出するのでしょうか。
A.主たる債務者が再生型手続の場合、合理的に見積もりが可能な場合には、①から②を控除して算出します。 ①主たる債務及び保証債務の弁済計画(案)に基づく回収見込額の合計金額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計金額なお、主たる債務者が第二会社方式により再生を図る場合、合理的に見積もりが可能な場合には、①から②を控除して算出します。 ①会社分割(事業譲渡を含む)後の承継会社からの回収見込額及び清算会社からの回収見込額並びに保証人からの回収見込額の合計額 ②主たる債務者及び保証人が破産手続を行った場合の回収見込額の合計金額主たる債務者が清算型手続の場合、合理的に見積りが可能な場合には、①から②を控除して算出します。 ①現時点において清算した場合における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額 ②過去の営業成績等を参考としつつ、清算手続が遅延した場合の将来時点(将来見通しが合理的に推計できる期間として最大3年程度を想定)における主たる債務及び保証債務の回収見込額の合計金額
Q.7-17 7(3)③について、経営者の安定した事業継続等のため、一定期間の生活費に相当する額を保証人の手元に残すことのできる残存資産に含めることを検討するとありますが、経営者たる保証人が経営者を退任する場合においても、このガイドラインの対象となるのでしょうか。
A.経営者たる保証人が経営者を退任する場合においても、このガイドラインの対象となります。
Q.7-18 7(3)③について、経営者以外の保証人(いわゆる第三者保証人)は早期の事業再生等の着手の決断に寄与した場合には、このガイドラインに即して、回収見込額の増加額を上限として、経営者の安定した事業継続等のため、一定期間の生活費に相当する額や華美でない自宅等を保証人の手元に残すことのできる残存資産に含めることを検討することとなりますが、早期の事業再生等の着手の決断に寄与していない第三者保証人については、このガイドラインに即して経営者に破産手続における自由財産に加えて一定の資産が残った場合においても、破産手続における自由財産以外の資産については履行を求められるのでしょうか。
A.早期の事業再生等の着手の決断に寄与していない経営者以外の保証人については、一義的には、対象債権者から破産手続における自由財産以外の資産については保証債務の履行を求められることが想定されますが、個別事情を考慮して経営者と保証人との間で残存資産の配分調整を行うことは可能です。
Q.7-19 対象債権者は、回収見込額の増加額を上限として、経営者の安定した事業継続、事業清算後の新たな事業の開始等(以下「事業継続等」という。)のため、一定期間の生計費に相当する額や華美でない自宅等を保証人の手元に残すことのできる残存資産に含めることを検討することとなりますが、華美でない自宅等に抵当権を設定している場合はどのような扱いになるのでしょうか。
A.ガイドラインに基づく保証債務の弁済計画の効力は保証人の資産に対する抵当権者には及びません。したがって、当該抵当権者は、弁済計画の成立後も、保証人に対して抵当権を実行する権利を有します。ただし、7.(3)④ロ)にあるように、ガイドラインに基づく弁済計画においては、当該計画の履行に重大な恐れのある債権者を対象債権者に含めることが可能であるため、例えば、自宅等に対する抵当権の実行により、弁済計画において想定されている保証人の生活の経済的再建に著しく支障を来すような場合には、保証人が、当分の間住み続けられるよう、抵当権者である債権者を対象債権者に含めた上で、弁済計画の見直しを行い、抵当権を実行する代わりに、保証人が、当該資産の「公正な価額」に相当する額を抵当権者に対して分割弁済する内容等を当該計画に記載することも考えられます。なお、弁済条件については、保証人の収入等を勘案しつつ、保証人の生活の経済的再建に支障を来すことのないよう定めることとします。
Q7-20 7(3)③について、「ただし、本項(2)ロの場合であって、主たる債務の整理手続の終結後に保証債務の整理を開始したときにおける残存資産の範囲の決定については、この限りではない。」とありますが、この場合の残存資産の扱いはどのようになるのでしょうか。
A.上記のケースでは、対象債権者は主たる債務の整理終結時点で、保証人からの回収を期待し得る状況にあります。このような場合においては、自由財産の範囲を超えて保証人に資産を残すことについて、対象債権者にとっての経済合理性が認められないことから、残存資産の範囲は上記のケースでは自由財産の範囲内となります。以上の点を勘案すると、保証債務の整理の申立ては、遅くとも、主たる債務の整理手続の係属中に開始することによって、自由財産の範囲を超えた資産について保証人の残存資産に含めることを検討することが可能となることから、支援専門家等の関係者においても、この点を踏まえて保証人に助言することが期待されます。 Q7-21 7(3)③について、「ただし、本項(2)ロの場合であって、主たる債務の整理手続の終結後に保証債務の整理を開始したときにおける残存資産の範囲の決定については、この限りではない。」とありますが、「主たる債務の整理手続の終結後」とは具体的にどの時点を指すのでしょうか。
A.主たる債務の整理が準則型私的整理手続による場合は、主たる債務の全部又は一部の免除等に関して成立した関係者間の合意の効力が発生した時点をいいます。主たる債務の整理が法的債務整理手続による場合は、主たる債務に関する再生計画等が認可された時点又はこれに準じる時点をいいます。 ④保証債務の弁済計画
Q.7-22 保証人は、保証債務の弁済計画案をいつまでに対象債権者に提出すればよいのでしょうか。
A .準則型私的整理手続を利用する場合は、各手続に沿って提出します。なお、主たる債務と保証債務の一体整理を図る場合は、主たる債務の弁済計画案の提出と同時の提出となります。また、準則型私的整理手続を利用することなく、支援専門家等の第三者の斡旋による当事者間の協議に基づき整理を行う場合には、弁済計画の作成について対象債権者と調整することになります。
Q.7-23 保有する資産を換価·処分して弁済に充てる内容の弁済計画案とする場合、保証人は、全財産を手放す必要があるのでしょうか。
A.ガイドラインを利用した場合、保証人は全財産を手放す必要はなく、少なくとも、債務整理後に以下のような自由財産を手元に残すことが可能です。 ➢債務整理の申出後に新たに取得した財産 ➢差押禁止財産(生活に欠くことのできない家財道具等) ➢現金(99万円) ➢破産法第34条第4項に基づく自由財産の拡張に係る裁判所の実務運用に従い、通常、拡張が認められると考えられる財産また、自由財産に加えて、経営者の安定した事業継続等のため、一定期間の生活費に相当する額や華美でない自宅等についても、Q7-14 の考え方に基づき、残存資産とすることが検討されます。
Q.7-24 7(3)④イ)c)に、「保証債務の弁済計画は(原則5年以内)」とありますが、 5年超の弁済計画も、必要に応じて認められるのでしょうか。
A.個別事情等を考慮して、関係者間の合意により5年を超える期間の弁済計画を策定す 22 ることも可能です。
Q.7-25 7(3)④ロ)に「処分·換価の代わりに「公正な価額」に相当する額を弁済する」とありますが、「公正な価額」はどのように算定されるのでしょうか。
A.関係者間の合意に基づき適切な評価基準日を設定し、当該期日に処分を行ったものとして資産価額を評価します。具体的には、法的倒産手続における財産の評定の運用に従うことが考えられます。
Q.7-26 7(3)④ロ)の「担保権者その他の優先権を有する債権者」には、具体的にはどのような者が含まれるのでしょうか。
A.国や地方公共団体等は、公租公課の債権者として、優先権を有する債権者に含まれます。
Q.7-27 保有する資産を換価·処分して弁済に充てる内容の弁済計画案とする場合、債権額 20万円未満の債権者は、対象債権者にはならないのでしょうか。
A.対象債権者間の合意により、対象債権者となる場合があり得ます。例えば、20万円未満の債権者の数が多い場合において、これらの全ての債権者に対して全額を弁済すると、対象債権者に対する返済原資が減り、対象債権者に対して破産手続による回収の見込みを下回る弁済しかできず、ガイドラインに適合した弁済計画案が作成できなくなるおそれがあるときには、破産手続による回収の見込みを下回ることがないよう20万円未満の債権者も対象債権者として、全額の弁済を行うのではなく、債務免除を要請することが考えられます。
Q.7-28 対象債権者がガイドラインに即して保証人に資産を残した場合においても、ガイドラインの適用を受けない他の債権者が残存資産からの回収を求めた場合、結局、保証人に資産は残らず、また、債権者間の衡平性が確保されないこととなるのではないでしょうか。
A.残存資産からの回収等によって弁済計画の履行に重大な影響を及ぼす恐れのある債権者については、保証人の資産の処分·換価により得られた金銭の配分の際に対象債権者に含めることにより、当該債権者を含めた調整を行うことが可能です。
Q.7-29 脚注8に「「公正な価額」に相当する額を弁済する場合等であって、それを原則5年以内の分割弁済とする計画もあり得る」とありますが、第5項(2)イ)における「保証の履行請求額は、基準日以降に発生する保証人の収入を含まない」との記載との整合性は、どのように図られているのでしょうか。
A.ガイドラインにおいては、原則として、基準日以降に発生する収入は返済原資として想定していません。ただし、例外として、保証人からの申し出により、資産を換価·処分しない代わりに、公正な価額に相当する額を分割して弁済する方法をとる場合に、将来の収入が返済原資に充当され得ることがあります。
Q.7-30 7(3)④に記述されている「準則型私的整理手続を利用することなく、支援専門家等の第三者の斡旋」により保証債務の整理を行う場合の「支援専門家等の第三者」とは、どのような者をいうのでしょうか。
A.「支援専門家等の第三者」は、準則型私的整理手続における各種第三者機関の機能を代替することになるため、弁護士等の第三者であり、かつ、全ての対象債権者がその適格性を認めるものが該当することとなります。 ⑤保証債務の一部弁済後に残存する保証債務の取扱い
Q.7-31 7(3)⑤ニ)の「保証人が開示し、その内容の正確性について表明保証を行った資力の状況が事実と異なることが判明した場合」には、過失の場合も含まれるのでしょうか。
A.保証人の過失により、表明保証を行った資力の状況が事実と異なる場合も含まれます。
Q.7-32 ガイドラインに沿って保証債務の減免·免除が行われた場合の保証人及び対象債権者の課税関係はどのようになるのでしょうか。
A.対象債権者が、ガイドラインに沿って準則型私的整理手続等を利用し対象債権者としても一定の経済合理性が認められる範囲で残存保証債務を減免·免除する場合、保証人に対する利益供与はないことから、保証人及び対象債権者ともに課税関係は生じないこととなります。(中小企業庁及び金融庁から国税庁に確認済) 24 (8.その他)
Q.8-1 ガイドラインは、いつから適用となるのでしょうか。また、適用期限はあるのでしょうか。
A.ガイドラインは平成26年2月1日から適用を開始します。適用期限は特に設けられていません。
Q8-2 ガイドラインの適用開始日である平成26年2月1日以前に締結した保証契約について、既存の保証契約の見直しや保証債務の整理を図る場合、このガイドラインの適用を受けるのでしょうか。
A.ガイドラインの適用開始日以前に締結した保証契約であっても、ガイドラインで掲げられている要件を充足する場合には、適用開始日以降に既存の保証契約の見直しや保証債務の整理を図る際、このガイドラインの適用を受けることとなります。
Q.8-3 8(2)に「主たる債務者、保証人、対象債権者及び行政機関等は、広く周知等が行われるよう所要の態勢整備に早急に取り組む」とありますが、具体的にどのような取組みが求められるのでしょうか。
A.対象債権者となる金融機関の団体や主たる債務者となる中小企業の団体、行政機関及び公認会計士、税理士等の外部専門家等による広報·周知活動を始め、さらに、必要に応じ、相談窓口の設置、金融機関による社内規程·マニュアルや契約書の整備等の取組み等が考えられます。
Q.8-4 対象債権者が、主たる債務者や保証人に対して、弁済計画の実施状況の報告を求めることは可能でしょうか。
A.第2項(2)において「経営者保証を締結する際には、主たる債務者、保証人及び対象債権者は、このガイドラインに基づく保証契約の締結、保証債務の整理等における対応について誠実に協力する」ことが規定され、また、第3項(3)において、「主たる債務者及び保証人の双方が弁済について誠実であり、対象債権者の請求に応じ、それぞれの財産状況等(負債の状況を含む。)について適時適切に開示していること」をガイドライン適用の要件としています。このような点に鑑みると、対象債権者が、主たる債務者や保証人に対して、弁済計画の実施状況の報告を請求することは可能であり、主たる債務者等は当該請求に対して誠実に協力することが求められるものと考えられます。ただし、主たる債務者等が弁済計画の実施状況を適時適切に対象債権者に報告しなかったことをもって、直ちに弁済計画に関する当事者間の合意の効力が否定されるものではなく、その場合の合意の効力については、当該合意に関する当事者間の取り決めにより決定されるものと考えられます。
Q.8-5 8(5)に「このガイドラインによる債務整理を行った保証人について、対象債権者は、当該保証人が債務整理を行った事実その他の債務整理に関連する情報(代位弁済に関する情報を含む。)を、信用情報登録機関に報告、登録しないこととする。」とありますが、債務整理に関する情報については、具体的にはどのような扱いになるのでしょうか。
A.弁済計画について対象債権者と合意に至った時点、又は、分割弁済の場合は債務が完済された時点で、「債務履行完了」として登録し、信用情報機関への事故情報の登録は行われません。
Q.8-6 ガイドラインの改廃は行われることがあるのでしょうか。また、それは、どのようなプロセスを経て行われるのでしょうか。
A.ガイドラインについては、運用状況を踏まえ、必要に応じ改廃が行われることとなります。その際には、関係する当局とも連携をとりつつ、本研究会において検討することが考えられます。以上

中小企業認定支援機関

経営力強化保証制度(骨子)

1.制度目的金融機関が認定経営革新等支援機関と連携して中小企業者の事業計画の 策定支援や継続的な経営支援を行い、中小企業者の経営力の強化を図る。

2.対象中小企業者金融機関と認定経営革新等支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画を策定し、計画の実行と進捗の報告を行う中小企業者。

3.保証限度額2億8,000万円(無担保保証は8,000万円)4.保証割合責任共有保証(80%保証)。ただし、100%保証の既保証を同額以内で借り換える場合は、例外的に100%保証。

5.保証期間運転資金の場合は5年以内、設備資金の場合は7年以内。既保証を借り換える場合は10年以内。それぞれ、据置期間は1年以内。

6.信用保証料率一般保証における保証料率から概ね0.2%引下げ。

7.期中における取扱い中小企業者は、四半期に一回、金融機関に対して、計画の実行状況を報告。金融機関は、年一回、信用保証協会に対して、中小企業者の実行状況とともに、金融機関と認定経営革新等支援機関の経営支援状況を報告。金融機関は、中小企業者の実行状況を踏まえ、認定経営革新等支援機関と連携し、必要に応じて、計画の修正指導、助言、追加的な経営支援を行う。

8.金融機関が認定経営革新等支援機関である場合認定経営革新等支援機関たる金融機関単独で、中小企業者の事業計画の策定支援や継続的な経営支援を行うことにより、本制度を利用可能。

9.制度開始日平成24年10月1日
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/kyoku/index.htm

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2012/0926HosyouKyouka.htm

ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金(中小企業庁)

Ⅰ.1次公募第二次締め切り:平成25年4月15日(月)

Ⅱ.補助率は補助対象経費の3分の2以内。補助上限額は1,000万円、 補助下限額は100万円

Ⅲ.補助金の概要
1.事業の目的
ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等に要する経費の一部を補助することにより、ものづくり中小企業・小規模事業者の競争力強化を支援し、我が国製造業を支えるものづくり産業基盤の底上げを図るとともに、即効的な需要の喚起と好循環を促し、経済活性化を実現することを目的とします。

2.補助対象者
本補助金の交付先は、日本国内に本社及び開発拠点を有する中小企業者に限ります。
本事業における中小企業者とは、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律第2条第1項に規定する者(具体的には以下の①~④)をいいます。
①製造業・建設業・運輸業・卸売業・サービス業・小売業・ゴム製品製造業・ソフトウェア業又は情報処理サービス業・旅館業(但し業種毎に資本金、従業員数の定め有り注意)
② 企業組合 ③ 協業組合 ④ 事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会

3.補助対象事業
ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等の取組みであり、以下の(1)から(3)の要件をすべて満たす事業であることとします。

(1)顧客ニーズにきめ細かく対応した競争力強化の形態として、以下のいずれかの類型に概
ね合致する事業であること
① 小口化・短納期化型・・グローバル競争が激化し、顧客ニーズが多様化する中、顧客からの多品種少量生産・短納期化のニーズに対応可能な体制を構築

② ワンストップ化型・・複数の技術を組み合わせた一貫生産体制の導入などを通じて、顧客の幅広いニーズに迅速に対応可能な体制を構築

③ サービス化型・・長年培った知恵と経験を活用し、顧客のニーズに対して中小企業側から積極的な提案を行うなど、製品以外の付加価値をつけた形での商品提供が可能な体制を構築

④ ニッチ分野特化型・・潜在的なニーズがあるにもかかわらず、他社が気付かないまたは市場規模が小さいため参入しない隙間となっているニッチ分野について、ものづくり中小企業・小規模事業者の高い技術力と機動力・柔軟性を活かし、経営資源を集中して競争力を強化する体制を構築

⑤ 生産プロセス強化型・・新興国企業との競合や原材料価格の高騰などを背景に、低価格化のニーズに応えるべく、ものづくり中小企業・小規模事業者の柔軟性と技術力を活用して、従来の生産プロセスを見直し、生産性を向上させることで、品質を落とさずに低コスト製品に対抗しうる製品を生産

(2) どのように他社と差別化し競争力を強化するかについての事業計画を提出し、その実効性について認定支援機関により確認されていること

(3) わが国製造業の競争力を支える「中小ものづくり高度化法」22分野技術を活用した事業であること                    □ 組込みソフトウェア □ 金 型 □ 冷凍空調 □ 電子部品・デバイスの実装 □ プラスチック成形加工 □ 粉末冶金 □ 溶射・蒸着 □ 鍛 造 □ 動力伝達 □ 部材の締結 □ 鋳 造 □ 金属プレス加工 □ 位置決め □ 切削加工 □ 繊維加工 □ 高機能化学合成 □ 熱処理 □ 溶 接 □ 塗 装 □ めっき □ 発 酵 □ 真 空
なお、補助対象事業における主な留意事項は以下のとおりです。
(ア) 共同体での取組み
複数の者(補助対象者に限る。)が共同で一つの事業に申請することも可能です。ただし、申請時に各者の役割分担、資金分担を明らかにすることが必要です。
(イ) 試作品の活用
本事業で開発した試作品は、補助対象事業期間内において、性能評価を行うため、試験機関やユーザーに必要な個数を無償譲渡・無償貸与することは可能です。また、試作品を有償で譲渡するテスト販売についても可能です(13ページの【参考3】テスト販売についてを参照してください。)。補助対象事業期間を越えると財産処分となり、無償であっても残存簿価相当額で補助金を返還していただく場合があります。
(ウ) 仕掛品の扱い
仕掛品を仕上げる試作品の開発について、まだ技術的課題が残っている場合は補助対象事業となります。ただし、補助金交付決定日以降に発生する経費のみ認められます。
(エ) 補助対象外事業
次に掲げる事業は補助対象となりません。採択案件の決定ないしは補助金交付決定での審査において、以下に該当すると認められた場合は不採択となります。
○ 技術的課題の解決方法そのものを外注又は委託する事業
○ 原材料や商品の仕入れ等営利活動とみなされる事業
○ 本事業期間内に、同一の事業について、国(独立行政法人等を含む。)が助成する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業(戦略的基盤技術高度化支援事業の補完研究は補助対象外です。)
○ 公序良俗に反する事業

4.補助対象経費
本事業を行うにあたり他事業との区分管理を行ってください。補助対象経費は本事業の対象として明確に区分できるもので、かつ、証拠書類によって金額等が確認できるもののみになります。
(1)対象経費の区分
① 原材料費
試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
※ 購入する原材料等の数量は必要最小限にとどめ、補助事業終了時には使い切ることを原則とします。補助事業終了時点での未使用残存品は補助対象となりません。
※ 原材料費を補助対象経費として計上する場合は、受払簿(任意様式)を作成し、その受払いを明確にするとともに、試作・開発等の途上において発生した仕損じ品やテストピース等を保管(保管が困難なものは写真撮影による代用も可)しておく必要があります。
② 機械装置費
機械装置又は工具・器具の購入、試作、改良、据付け、借用又は修繕に要する経費※ 「改良」とは機能を高め又は耐久性を増すために行うもので、「修繕」とは保守に伴って行う原状回復等の行為をいいます。
※ 「据付け」とは、機械装置と一体で捉えられるものであって、当該処理がなければ機械装置の動作に著しく弊害が出るもので、定着性を有しない等軽微なものに限ります。設置場所の整備工事や基礎工事を伴う管理棟の建設等は含みません。
※ 「借用」において補助対象となるものは、借用のための見積書、契約書等が確認できるもので、当該年度の補助事業に要する経費のみとなります。したがって、契約期間が当該年度を超える場合の補助対象経費は、按分等の方式により算出された当該事業期間分のみとなります。
※ 補助事業において、単価50万円(税抜き)以上の施設、機械設備等を取得又は改良等した場合には、補助事業が終了した後も当該施設、機械設備(以下「取得財産」という。)を善良な管理者の注意をもって管理し、補助金交付の目的に従ってその効果的運用を図らねばなりません。また、処分制限期間内に取得財産を処分(転用、譲渡、貸付、廃棄等)しようとするときは、あらかじめ各地域事務局長の承認をうけなければなりません。
③ 直接人件費
本事業の実施期間を通じて責任をもって試作品の開発に直接従事することができる者(原則として補助事業者と雇用関係が結ばれている者に限る。)の試作品の開発業務に係る時間に対応する人件費
④ 技術導入費外部からの技術指導や知的財産権の導入に要する経費
⑤ 外注加工費
原材料等の再加工・設計及び分析・検査等を外注・依頼等(外注先の機器を使って自ら行う場合を含む。)を行う場合に外注先への支払に要する経費
※ 外注先が機器・設備等を購入する費用は、補助対象とはなりません。
⑥ 委託費
外部の機関に試作品の開発の一部を委託する場合の経費※ 外部の機関が機器・設備等を購入する費用は、補助対象とはなりません。
※ 人件費単価は、原則、15ページの【参考4】「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金における人件費単価の算出方法について」に基づいて算定することとします
※ 委託費には、間接経費又は一般管理費を含みます。(ただし、直接経費の10%を限度とします。)
※ 補助対象経費総額(税抜き)の2分の1を上限とします。
※ 委託契約の締結が必要です。
⑦ 知的財産権関連経費
試作品の開発と密接に関連し、試作品の開発成果の事業化に当たり必要となる特許権等の知的財産権の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権取得に関連する経費
※ 今回の事業の成果に係る発明等ではないものは、補助対象になりません。また、事業期間内に出願手続きを完了していない場合は、補助対象になりません。
※ 知的財産権の取得に要する経費のうち、以下の経費については、補助対象とはなりません。
1)日本の特許庁に納付される出願手数料等(出願料、審査請求料、特許料等)
2)拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費
※ 他の制度により知的財産権の取得について支援を受けている場合は、補助対象になりません。
※ 補助対象経費総額の3分の1を上限とします。
⑧ 運搬費
運搬料、宅配・郵送料等の支払に要する経費
⑨ 専門家旅費
本事業遂行のために必要な旅費として、依頼した専門家等に支払われる経費
⑩ 専門家謝金
本事業遂行のために必要な謝金として、依頼した専門家等に支払われる経費
⑪ 雑役務費
試作品の開発に係る業務を補助するために臨時的に雇い入れた者(パート、アルバイト)に対する賃金、交通費
※ 支払等の経理事務や補助事業に係る提出書類の作成事務といった一般的な事務については、補助対象になりません。

※平成24年度「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」【1次公募要領(複数回公募を予定)】を抜粋したものです。詳しくは長野県中小企業団体中央会TEL 026-228-1171のホ-ムペ-ジをご覧下さい。http://www.alps.or.jp/mono-nagano2013/
ご注意:この要領(1次公募第2次締め切り)の公募期限が平成25年4月15日、採択予定日は5月中旬
となっております。公募は複数回と記入してありますが、その動向については不確実なものですから、
上記ホ-ムペ-ジ等で随時ご確認下さい。

Ⅳ.詳しくは認定機関の当事務所または経済産業省ホ-ムペ-ジ→
http://www.alps.or.jp/mono-nagano2013/pdf/kouboyouryou2013.pdf

創業補助金(中小企業庁)

1.事業の目的
「地域需要創造型等起業・創業促進事業」は、新たに起業・創業や第二創業を行う者に対して、その創業等に要する経費の一部を助成(以下、「補助」と言う。)する事業で新たな需要や雇用の創出を図り、我が国経済を活性化させることを目的とします。
①地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業(以下、「地域需要創造型起業・創業」という。)を支援することにより、地域の新たな需要の掘り起こしや、地域における雇用の創出を促すことで地域経済の活性化を図ることを目的とします。
②既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する第二創業(以下、「第二創業」という。)を支援することにより、既存の中小企業・小規模事業者の活力の回復・向上を促し、経済の活性化を図ることを目的とします。
③海外市場の獲得を念頭とした事業を興す起業・創業(以下、「海外需要獲得型起業・創業」という。)を支援することにより、海外市場で強みを発揮し海外の高い経済成長が続く地域などにおける需要を取り込むことで経済の活性化を図ることを目的とします。

2.補助対象者
本補助金の募集対象者は、新たに創業する者又は中小企業・小規模事業者であり、以下の要件を満たす方となります。
(1)補助対象の類型と対象者
対象者:「地域需要創造型起業・創業」「海外需要獲得型起業・創業」については新たに創業    する者、「第二創業」については中小企業・小規模事業者(会社及び個人)

①「新たに創業する者」とは、これから創業する者であって、応募日翌日以降、補助対象期間中に個人開業又は会社・企業組合・協業組合設立を行う者とします。
※補助金の支払いに際して、開業又は会社等設立の確認ができる書類が必要となります。
②「第二創業」における「中小企業・小規模事業者」とは、業種分類:製造業その他・卸売業・小売業・サービス業で資本金及び従業員数が一定以下の「会社及び個人」を指します。
なお、企業組合、協業組合、協同組合、商工組合、有限責任事業組合(LLP)、NPO法人、学校法人、宗教法人、医療法人、任意のグループは対象になりません。
③「第二創業」では、上記②に該当する者であって、本補助金への応募時から6ヶ月以内に事業承継を予定しているか、事業承継後6ヶ月以内の場合が対象となります。また、代表者の承継は親族には限りません。
④外国籍の方の場合、個人であれば日本国内に居住し、日本国内で事業を行うことが要件となります。また、会社の代表者が外国籍の場合、本社が日本国内に置かれていることが要件となります。
(2)上記(1)の範囲に該当する中小企業・小規模者でも、みなし大企業は対象に含みません。
(3)訴訟や法令順守上の問題を抱えている者ではないこと。
(4)応募者又は中小企業・小規模事業者の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと、また、反社会的勢力との関係を有しないこと。
また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受ける場合も対象外とします。
(5)督促しても必要書類の提出がない場合は対象者としての資格がないものとします。

3.補助対象事業
(1) 既存技術の転用、隠れた価値の発掘(新技術、設計・デザイン、アイディアの活用等を含む。)を行う新たなビジネスモデルにより需要や雇用を創出する事業であること。
(2) 認定支援機関たる金融機関又は金融機関(※1)と連携(※2)した認定支援機関による事業計画の策定から実行までの支援(※3)を受けることについて、確認書への記名・押印により、確認されること。
※1 金融機関とは、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用協同組合のことを指します。
※2 連携とは、認定支援機関が※1の金融機関と創業・新事業支援を含む覚書等を締結していることが 必要となります。なお、覚書等には以下の内容が盛り込まれていることが必要です。
① 目的(認定支援機関と金融機関がそれぞれの業務を通じ、双方が連携して創業・新事業の展開を支援すること。)
② 支援対象(創業・新事業の展開を目指す者を支援対象とすること。)
③ 支援内容(認定支援機関は事業計画策定から実行までの継続的な支援業務を実施すること、金融機関は金融面での支援に協力すること。)
④ 覚書等の有効期限(有効期限が平成26年12月まで見込めること。)
⑤ 認定支援機関と金融機関双方の押印がなされていること。
※3 支援内容は、事業計画策定、資金計画の確実性(※4)、マーケティングの実施(価格設定、販売促進等)、人材・労働力の確保、中小企業会計要領等の活用、専門的課題の解決、補助金の適正な実施及び事業の成果に係る確認などを指します。このうち、事業計画策定、資金計画の確実性、補助金の適正な実施及び事業の成果に係る確認は必須とします。補助事業者が受けた支援内容についての報告は、別途指示に従い事務局へ行います。
※4 補助金交付希望額の1/2に当たる金額について外部資金による調達が十分見込めることが必要です。外部資金の調達先は、上記※1の金融機関とします。

(3) 以下の類型のいずれかに概ね合致するものであること。
類型:事業内容
A.「地域需要創造型起業・創業」・・・地域の需要や雇用を支える事業を興すもの。
B.「第二創業」・・・既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から      事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出するもの。(※)
C.「海外需要獲得型起業・創業」・・・海外市場の獲得を念頭とした事業を、日本国内において      興すもの。
※これまで行っていた事業の属する事業とは異なる事業(業種は日本標準産業分類の細分類による。)を行う者。(日本標準産業分類について不明な点がありましたら、事務局まで問い合わせください。)

(4)① 公序良俗に問題のある事業
② 他の補助・助成制度を活用するものではないこと。
※本補助対象事業期間内に、同一の内容で国(独立行政法人を含む)又は地方自治体(都道府県)の他の補助金、助成金の交付を受けている、又は受けることが決まっている場合は対象外となります。
※また、同一の内容で他の補助金、助成金を申請中の場合で、いずれも採択された場合は、どちらを活用するかを選択して頂きます。また、該当記入欄に記入がなく、後日事実が明らかになった場合には、採択後であっても補助金の交付を取り消す場合があります。

4.補助対象事業期間
第1回募集に係る本補助対象事業期間は、交付決定日から平成26年5月末日となります。また、今後複数回の募集を予定しておりますが、補助対象事業期間は、各募集回毎に定めることとします。

5.補助対象経費
補助対象事業実施のために必要となる経費となりますが、以下の①~③の条件をすべて満たすものを対象とします。① 使用目的が本事業のものと明確に特定できるもの② 事業開始日(交付決定日)以降に発生した経費③ 証拠書類等によって金額等が確認できるもの
※補助対象となる経費、ならない経費については、公益財団法人長野県中小企業振興センター026-227-5028のホ-ムペ-ジで例示してありますのでご参照ください。

○主な着眼点は、以下のとおりです(3類型共通)。
1).事業の独創性・・・技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する事業を自ら編み出していること。
2).事業の実現可能性・・・商品・サービスのコンセプト及びその具体化までの手法やプロセスがより明確となっていること。
事業実施に必要な人員の確保に目途が立っていること。販売先等の事業パートナーが明確になっていること。
3).事業の収益性・・・ターゲットとする顧客や市場が明確で、商品、サービス、又はそれらの提供方法に対するニーズを的確に捉えており、事業全体の収益性の見通しについて、より妥当性と信頼性があること。
4).事業の継続性・・・予定していた販売先が確保できないなど計画どおり進まない場合も事業が継続されるよう対応が考えられていること。
事業実施内容と実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。
5).資金調達の見込み・・・金融機関等の外部資金による調達が十分見込めること。

6.認定支援機関について
近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。


平成24年度創業補助金(地域需要創造型等起業・創業促進事業)【第1回募集要項(複数回募集を予定)】を抜粋したものです。詳しくは公益財団法人長野県中小企業振興センター026-227-5028のホ-ムペ-ジをご覧下さい。http://www.icon-nagano.or.jp/topic/2013/sogyohojyo/index.htm

円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業費補助金

①公募期間:平成25年4月25日(木)正午まで必着

②本補助金は、日本経済再生に向けた緊急経済対策(平成25年1月11日閣議決定)に基づき実施する施策であり、出資・融資等の金融的手法による支援を行う措置に加え、必要な費用の一部に対する補助を措置することにより、円高・エネルギー制約の高まりの中で、産業競争力強化・空洞化防止に資する最新設備・生産技術等の先端生産設備(※1)等の導入を促進することを目的とします。こうした観点から政府としては、先端生産設備等の導入促進に向け、本補助金と金融的手法(出資・融資等)とのハイブリッドな支援を企図しており、本補助金の適用を受けるに際しては、金融的手法の支援として、日本政策金融公庫および日本政策投資銀行による支援措置も最大限活用してください。
(※1)先端生産設備とは、先端生産機械装置、及び先端生産機械装置に専用かつ一体不可分な設備

③補助対象経費の区分及び内容(1)設備費等補助事業者の生産施設で使用する設備機械装置の購入及び据付け等に必要な経費。 (2)調査設計費上記設備機械装置の据付け等に必要な調査費及び設計費 (3)補助金交付上限額120億円

④詳細は認定機関の当事務所または経済産業省ホ-ムペ-ジへ→

http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/sangyorich/data/20130315kouboyouryo.pdf

地域需要創造型等起業・創業促進補助金

①第2次受付 平成25年4月22日(月曜)迄

②地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業や既に事業を営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する第二創業、また、海外市場の獲得を念頭とした事業を興す起業・創業を支援することにより、地域における需要の創出、取り込みや中小企業・小規模事業者の活力の回復・向上を促すことで、経済の活性化を図ることを目的として、これらの起業・創業、第二創業を行う者に対して、その創業事業費等に要する経費の一部を補助します。

③補助率と補助上限額(1)地域需要創造型起業・創業=3分の2=200万円、(2)第二創業=3分の2=500万円、(3)海外需要獲得型起業・創業 =3分の2=700万円、(4)補助下限額100万円

④詳細は認定機関の当事務所または経済産業省ホ-ムペ-ジへ→

http://www.icon-nagano.or.jp/topic/2013/sogyohojyo/index.htm